辞めたいな…と思い始めたあなたへ ― モラトリアム期の安心準備ガイド

退職を考え始めた人の心理を表すイメージ

「このまま働き続けていいのかな」「そろそろ辞めたいかもしれない」――
そんな気持ちが頭をよぎる日が増えてきたら、それは“モラトリアム期”かもしれません。心理学ではモラトリアムとは「猶予期間」「過渡期」とされ、自分を問い直し、未来の選択肢を探す大切な時期です。
けれど、この時期は不安や焦りも強まりやすいもの。この記事では、そんなあなたの気持ちに寄り添いながら、退職準備やキャリア再スタートにつなげるヒントをお伝えします。

モラトリアム期に生まれる気持ちと、その正体

モラトリアム期にいると、毎日の中でこんな気持ちが出てきます。

  • 「今の仕事は本当に自分に合っているのかな」
  • 「辞めたいけど、生活はどうなるだろう」
  • 「次が見つかるか不安」
  • 「結局決めきれず、先延ばししてしまう」

これらは決して弱さや甘えではなく、「変化の前に現れる自然な心理反応」です。
退職心理の観点では、人は辞めるかどうかを決める前に、必ず「迷いと逡巡のフェーズ」を経ます。大事なのは、この迷いを否定せずに「自分の心の声」として受け止めることです。

退職を考え始めたら、まずやっておきたい準備

  1. 価値観を言語化する
    自分が仕事で何を大事にしたいのかを紙に書き出しましょう。
    例えば、「安定」「成長」「自由」「社会貢献」など、自分の優先順位を整理することが、次のキャリア選択の指針になります。
  2. 感情の棚卸しをする
    辞めたいと思う瞬間を記録してみてください。
    例えば、「上司との関係性が原因なのか」「仕事内容そのものが合わないのか」などを見える化すると、辞めるべきか残るべきかの判断がしやすくなります。
  3. 選択肢を並べて比較する
    転職だけでなく、副業や部署異動、働き方の変更も選択肢です。
    それぞれのメリット・デメリットを可視化し、感情だけでなく事実に基づいて整理しましょう。
  4. 小さな試し行動をしてみる
    いきなり退職を決めなくても、できることはあります。
    ・副業を少し始めてみる
    ・新しいスキルの勉強をする
    ・社内の新規プロジェクトに参加する

    これらは「自分に他の可能性がある」という安心感につながります。

辞めると決めたら意識したいこと

もし退職を選ぶなら、焦らず段階を踏んで準備を進めましょう。

  • 退職時期を見極める(年度末や繁忙期後など)
  • 引き継ぎを計画的にまとめる(業務マニュアル・顧客情報など)
  • 生活資金を整える(最低3〜6か月分の生活費があると安心)
  • 手続き確認を忘れない
    • 雇用保険 → 失業給付を受けるには離職票が必要
    • 健康保険 → 任意継続か国保加入かを選ぶ必要あり(参考:全国健康保険協会↗)
    • 年金 → 厚生年金から国民年金への切り替え
    • 税金 → 住民税は翌年にまとめて請求が来ることもある

手続きを知ることで、余計な不安を減らせます。


キャリア再スタートを考える視点

退職はゴールではなく、新しい入口です。ここからの準備が「キャリアの再設計」につながります。

  1. 自己評価と市場価値の確認
    自分のスキル・経験を棚卸しし、求人票や業界動向と照らし合わせましょう。
  2. スキルアップ・学び直し
    オンライン講座や資格取得、副業での実務経験を通じて「市場価値を強化」できます。
  3. ネットワークを広げる
    元同僚や業界のイベントで人とのつながりを築くことが、次のキャリアのきっかけになることも。
  4. 公的支援を活用する
    ハローワークの再就職支援や助成制度は見落としがちですが有効です(参考:ハローワーク公式サイト↗)
  5. 心のケアを忘れない
    不安や焦りは当然のこと。必要ならカウンセリングやキャリアコーチを利用し、自分のペースで進めましょう。

まとめ ― 退職は“終わり”ではなく“入口”

退職という節目は、これまでの経験を資産に変えて「新しい自分をデザインし直す機会」です。

モラトリアム期を「迷いの時間」から「未来を準備する時間」に変えることで、安心したキャリアの再スタートが可能になります。

👉 「退職準備と手続き」の観点から知りたい方は → こちらのカテゴリーへ
👉 「キャリア再スタート」の視点から読みたい方は → こちらのカテゴリーへ


投稿者アバター
藤崎 香織(career_team)
新卒・第2新卒の方がつまずきやすいポイントを、できるだけわかりやすく書くよう心がけています。 就職直後のモヤモヤや「このままでいいのかな」という不安、はじめての転職で迷いやすい場面に寄り添いながら、落ち着いて整理することを大切にしています。「続けてみる」「見直してみる」「環境を変える」。 どの選択肢でも、読んだその日から動けるように、実務の流れやチェックリスト、役立つ相談先などもあわせて紹介していきます。入社1〜3年目は、悩んで当たり前の時期。 ひとりで抱え込みすぎないように、少しでも気持ちを軽くできる情報を、わかりやすくまとめていくよう心がけていきます。

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