“両立しよう”としないほうが、ワーママはうまくいく

ワーママの両立に悩む女性が自分らしい働き方を考えるイメージ両立しようとしない勇気とキャリア継続の象徴

今週の「退職あるある・ワーママ編」では、仕事と家庭の間で揺れる日常をテーマにしました。
「両立しよう」と頑張りすぎてしまう私たち。
しかし、本当の“両立”とは、1日の24時間で完璧にバランスを取ることではなく、年単位で見た“続ける力”のことなのかもしれません。

39年目の男女雇用機会均等法と、初の女性総裁誕生というニュース

1986年に施行された男女雇用機会均等法から、今年で39年。
この間、日本社会は確かに変わってきました。たとえば、家庭の中では夫婦の家事・育児分担が進み、働く女性も珍しくなくなりました。
それでも、一方で、まだ“制度”と“文化”の間には深い溝があります。

そしていま、政治の世界では自民党総裁に女性が選ばれたというニュースが話題に。
正式な首相就任はこれからですが、「初の女性総理誕生か」と社会がざわめいています。
それでも、これは“やっと一歩目”。
一足飛びに変わることはありませんが、確実に変化の兆しは生まれています。
つまり、誰か一人の成功ではなく、私たち一人ひとりの歩みが、社会を少しずつ動かしているのです。

「両立しようとしない」という選択

“両立”という言葉は、いつの間にかプレッシャーになっていませんか?
「仕事も育児も、完璧にやらなければ」——そう思うほど苦しくなる。

しかし、両立は瞬間では成り立つものではない
1日や1か月といった短い単位ではなく、1年、2年という“年単位”で見ていくものです。
たとえば、子どもが成長すれば、できることも、求められることも変わる。
仕事も、人生のフェーズも同じように変化していきます。

だからこそ、今は子育てを優先しても、数年後にはまた違う形で働けるかもしれない。
その時々のバランスでいい。
“いま”の自分にとっての最適解を積み重ねることが、本当の両立です。

“両立しようとしない勇気”こそが、キャリアを長く続けるための力になります。

「産めるときに産んでおけ」——過去の自分に伝えたいこと

私は、男女雇用機会均等法の世代として社会に出ました。
結婚後、「子どもを持つか・持たないか」という人生の選択をめぐって、少しずつお互いの考え方や歩幅に違いが生まれ、最終的に別々の道を歩むことを選びました。

なぜなら当時は出産・育児休暇の制度こそあっても、「その期間、仕事を休むのが怖い」と感じていた自分がいました。
キャリアの一部が止まることが、取り返しのつかないことのように思えたのです。

でも、今の自分があの頃に言えるなら、こう伝えたい。
「産めるときに産んでおけ」
出産や子育ては計画どおりにいくものではありません。
キャリアもまた同じです。思い通りに進まなくても、それが“人生の厚み”になります。

キャリアは、まっすぐな線ではない

キャリアとは、レールの上をまっすぐ走るものではありません。
止まったり、曲がったり、ときに戻ったり。
その“揺らぎ”の中にこそ、自分らしい道が見えてきます。

いまは子育てを優先している人も、仕事に没頭している人も、どちらも正解。
なぜなら「今の自分にとって大事なもの」を選べることこそ、キャリアの自由です。

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投稿者アバター
後藤 直子
大企業から中小企業まで、多くの現場で“辞めたいのに辞められない”“助けを求められない”という声を聞き続けてきました。制度疲労した組織、仕組みが整わない職場、その狭間で苦しむ人を数多く見てきた経験から、「退職を安全に、そして前向きな再スタートにつなげられる仕組みが必要だ」と強く感じ、リスタート退職サポートを立ち上げました。働く人が安心して次の一歩を踏み出せる社会づくりに取り組んでいます。

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