退職後の住民税、ここがポイント

退職手続きや社会保険住民税の準備をする人のイメージ特に女性のキャリア再スタートの不安解消と手続きサポートを意識したシーン

退職後の住民税、ポイントを押さえて不安を軽減

退職のタイミングは、手続きやお金の不安がいっきに押し寄せる時期。
その中でも「住民税」は、後から請求が来て、びっくりしがちな項目です。

でも安心してください。
ルールを知れば、怖くないし、損もしません。
ここでは、退職後の住民税について、やさしく・実務的に整理します。


1. 住民税は“前年分を後払い”

住民税は、前年の収入に対して、今年払う仕組みです。
つまり、退職しても、前年分の住民税は必ず発生します。

📅 住民税の納付時期(例:2024→2025→2026)

2024年 2025年 2026年 1年間の収入 1月 12月 5月 昨年の年収をもとに 税額決定&通知 住民税の支払い(6月〜翌5月) 6月 5月

例)2024年の収入に基づいた税額 → 2025年6月〜2026年5月に支払い

在職中
給与天引き(特別徴収)
退職後
自分で納付(普通徴収)

「急に税金がのしかかる」のではなく、
支払い方法が変わるだけと理解しておきましょう。


3. あなたはどっち?

👣 退職後の住民税支払い

✅ すぐ転職 → 新会社で天引き再開(特別徴収)
✅ しばらく無職/フリー → 納付書で払う(普通徴収)

※転職時期によっては一時的に自分払いになることがあります


4. 「月末退職」か「月中退職」で変わる

月末退職
→ その月分まで給与から天引き
月中退職
→ 払い切れない分は後日納付書

退職日を決めるときに、住民税も意識しておくと安心です。


5. 「一括徴収です」と言われたら

退職時に会社から、
「残額を給与からまとめて引きますね」
と言われることがあります。

生活に影響する場合は、普通徴収に変更を依頼できます。

📌会社にはこんな風に伝えればOK:
「普通徴収に変更をお願いできますか?」

6. 退職後に必要な住民税の目安(例)

年収年間住民税の目安退職後に必要な住民税目安
(2〜3ヶ月想定)
300万円約15万円約2.5〜4万円
500万円約27万円約4.5〜7万円

退職時は、住民税に加えて、健康保険や年金などの支払いも発生する場合があります。
そのため、 退職月+次の就職先が決まるまで(平均2〜3ヶ月)に必要な税金・社会保険料分を確保しておくと安心です。

※上記は住民税のみの概算です。実際の金額は年収、自治体、制度選択(任意継続など)により異なります。


7. よくある質問

  • 引っ越したら?
    → 住民税は、1月1日時点で住んでいた自治体に払います
    例:1/1は横浜→6月に東京へ引越し → その年の住民税は横浜に納付
  • 失業保険(失業手当)中は?
    → 住民税とは別制度で、前年に所得があれば必ず支払います
    失業手当は非課税ですが、住民税の支払い義務はそのままです
  • 扶養に入ったら?
    → 扶養と住民税は別制度。前年に所得があれば住民税は発生
    扶養に入っても、前年分の住民税は自分で納付(一定所得以下なら非課税の場合あり)

まとめ

退職後の住民税は、制度と支払いタイミングを理解しておくことが安心につながります。

  • 住民税は前年の収入に対して課税される
  • 退職すると、天引き(特別徴収)→納付書払い(普通徴収)へ切り替わるのが一般的
  • 希望すれば、退職時に給与からまとめて精算(=一括徴収)することもできる

知っておけば、退職後も慌てずにすみます。覚えておきましょう。

退職は人生のターニングポイント。
不安な方は、いつでも相談してくださいね。
投稿者アバター
高橋由美子(support_team)
人事・労務分野で20年以上の実務経験を持つ、労働法務と手続きの実務に精通した専門家。 社会保険・雇用保険・住民税・離職票・退職時の企業対応など、複雑な「退職まわりの実務」を担当してきた実務派。在職中の方が抱える 「これって会社に何て言えばいいの…?」 「手続きの順番がわからない…」 「制度の文字が難しすぎる…」 といった“つまずきやすいポイント”を、やさしく・正確にほどくのが得意。丁寧で抜け漏れのない進行と、 誰でも理解できるシンプルな説明に定評がある。リスタート退職サポートでは、 退職前後の「不安になりやすい実務」について、 法律と企業実務の両面から、迷いをなくす情報発信を担当。

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