【序章】育休後の復職は“リスタート”──5つの視点で整えるキャリア再設計

この記事は、これから5回にわたってお届けする「育休後の復職リスタート」シリーズの序章です。
育休後の“働き方・気持ち・環境”をどう整えていくか——。
5つのテーマを軸に、働くママが明日から実践できるヒントや工夫を、具体策とともに深く掘り下げていきます。

はじめに

育休を終え、久しぶりに職場へ戻る日。社会に再びつながる喜びと同時に、胸の奥には小さな不安が混じっていませんか。

「仕事と育児、本当に両立できるかな」
「前のように働けるだろうか」
「周りに迷惑をかけないか心配」

——そう感じるのは、あなただけではありません。

育休後の復職は、単に「元の職場に戻る」ことではなく、 新しい自分として、再びキャリアを歩き出す“リスタート”のタイミングです。
子育てを通じて、時間の使い方、価値観、優先順位が大きく変わった今。
その変化を「制約」ではなく「成長」として捉える視点が、これからの働き方の軸になります。

働くママの「現実」と「モヤモヤ」

復職を前に、多くのママが抱えるのは次のようなリアルな悩みです。

  • 仕事と家庭のどちらも“中途半端”になってしまう気がする
  • 子どもの急な発熱で職場に迷惑をかけるのが怖い
  • 時短勤務で成果を出せず、自信を失う
  • 同じチームで自分の代わりに頑張ってくれた同僚に申し訳なく感じる
  • 「もう前みたいには働けない」と感じながらも、どう変えればいいかわからない

どれも“甘え”ではなく、 環境が変わったからこそ生まれる当然の感情です。
そしてこの“揺らぎ”こそが、次のステージに進むためのヒントでもあります。

復職とは「戻る」ではなく「整える」こと

育児を経験したことで、あなたは新しい力を手にしています。
優先順位を判断する力、同時進行の力、共感と対話の力。

それらは、組織や社会を支える上で欠かせないリーダーシップの基礎でもあります。
だからこそ、復職を“以前の状態に戻すこと”ではなく、 「今の自分」に合う形で働く環境・リズム・考え方を整えることが大切です。

そして整えるためには、焦らず・比べず・一つずつ可視化すること。
それが、「自分らしい働き方を形づくる第一歩です。」

シリーズ全体の地図:5つの視点で考える“復職リスタート”

このシリーズでは、育休明けの働くママが「仕事も家庭も自分らしく整える」ために、以下の5つのテーマを軸に解説していきます。

  1. 元に戻すより、新しく整える
    “前と同じ”を手放し、「今の自分に合う働き方」を再設計。

  2. 最初の3カ月は“リハビリ期間”
    焦らず“慣らしの3カ月”でペースとリズムを整える。

  3. 保育園は“預ける場所”ではなく“パートナー”
    園との信頼関係が、家庭と仕事の安心を支える。

  4. 職場では「すみません」より「共有させてください」
    信頼を生む伝え方・言い換え・コミュニケーション設計。

  5. キャリアを“縮めない”
    成果の翻訳・価値の言語化で、自分らしい軌道を描く。

私たちが女性のキャリア支援で大切にしていること

この5つのテーマは、どれも「完璧な両立」を目指すためのものではありません。
むしろ、「完璧じゃなくても続けられる自分の形」を見つけるための考え方です。

育休後の復職は、キャリアの中断ではなく、新しいステージへの移行
その変化を恐れるのではなく、自分らしい再スタートを描くことが、働く女性のキャリアを長く、しなやかに支える力になります。

私たちは、その再設計のプロセスを、制度面・感情面の両側から支えながら伴走していきます。

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投稿者アバター
成瀬 まい(women_editor)
キャリア支援の実務に10年以上携わり、転職支援・キャリア相談・女性の働き方の課題に向き合ってきました。一児のワーキングマザーとして、妊娠・復職・保活・時短勤務など、女性が直面しやすいキャリアの壁も自身で経験。丁寧な対話で思考を整理し、無理なく続けられるキャリア設計と選択肢の提示を大切にしています。

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