働きはじめの「お金の基本」――社会保険・残業代・給与明細。知らないままで損しないために
社会に出て最初につまずきやすいのが、給与明細に書かれた謎の数字や、毎月引かれる社会保険、残業代のルールなど、 “お金の仕組み”です。学校では教わらないのに、社会に出た瞬間から必要になります。 でも、知らなくて当然です。
ここでは、新卒〜若手が「最初に知っておくと一生ラクになる」お金の基礎を、わかりやすく整理します。
1|社会保険は「未来のあなたを守る」仕組み
給与明細に並ぶ 健康保険・厚生年金・雇用保険。まとめて「社会保険」と呼ばれます。
● 健康保険
医療費が3割負担になる仕組み。高額療養費制度など、医療費の上限を守る制度も含まれます。
● 厚生年金
老後の生活を支える年金制度。国民年金より給付が手厚いのが会社員のメリットです。
● 雇用保険
失業したときの給付金、スキルアップ講座の補助、育児休業給付金などが受けられます。
2|社会保険料は「会社とあなたで負担」
健康保険と厚生年金は、会社とあなたでほぼ半々(労使折半)で支払う仕組みです。
たとえば、厚生年金の保険料率は約18.3%。そのうち約半分を会社が負担しています。 つまり、社会保険に加入しているだけで、会社から毎月“見えない補助金”を受けているようなものです。
※雇用保険は折半ではなく、会社の負担割合が大きい仕組みです。
3|残業代は「1分単位で支払う」のが原則
「ウチは気持ち単位」「15分単位で切り捨て」などの説明を受けても、法律上は1分単位の計算が原則です。
● 残業代の基本ルール
- 法定労働時間(1日8時間・週40時間)を超えたら「時間外労働」
- 時間外は 25%以上の割増賃金
- 深夜(22時〜5時)はさらに25%上乗せ
- 法定休日は35%以上
あなたが働いた時間=あなたの価値。“気持ち単位”は存在しません。
4|給与明細は「生活の健康診断」
給与には2つの金額があります。
● 総支給額(額面)
基本給・各種手当・残業代など、税や保険を差し引く前の総額。
● 手取り額
総支給額から、社会保険料・所得税・住民税(2年目から)などを差し引いた「実際に振り込まれる金額」。
手取りは総支給の75〜85%が目安。給与明細を見る習慣をつけることで、会社の計算ミスや不正にも気づけます。
5|最初の数年で“損しやすいポイント”は3つ
- ① 残業代がつかない(新人だから…は関係なし)
- ② 有給は許可制だと思っている(理由不要の権利)
- ③ 給与の遅れに気づかない(1日でも遅れたら遅延)
6|「知らないまま」がいちばん損
お金の仕組みは難しそうに見えて、実は“知れば守れる”ものばかり。 社会保険、残業代、手取り、有給。どれもあなたの生活と未来に直結しています。
知らないのはあなたのせいじゃない。でも、知れば自分の働き方が守れるようになる。
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